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安藤漢方薬局ブログ

第69回 正倉院展


念願の正倉院展に行って来ました。
すでに皆さんご存じのことですが、奈良の正倉院には、聖武天皇が愛用された品々や
東大寺の寺宝、文書など7~8世紀の東洋文化を伝える宝物が収められています。
今回ポスターになっていました「羊木るうけちの屏風」をはじめ、聖武天皇が使われた
「玉尺八」や「緑瑠璃十二曲長杯」などを観ることができ、天平の往時をしのび、
1200年の時をこえて、鮮やかに伝えられ、保存されてきたことに感歎します。
天平勝宝8年(756年)、聖武天皇が56歳で亡くなられた後に、光明皇后は天皇
遺愛の品々を東大寺の廬舎那仏(大仏さま)に献納され、その数およそ650点と
いわれています。
また、皇后は天皇の遺愛品とは別に薬物も献納しました。
献物帳の中の「種々薬帳」には、献納された60種類の薬物名とその数量、質量な
どが列記され、巻末には
「病に苦しんでいる人のために必要に応じて薬物を用い、服せば万病ことごとく除
かれ、千苦すべてが救われ、夭折することがないように願う」といった願文が記載
されているそうです。
その中には、私たちにもなじみの深い、大黄(ダイオウ)、人参(ニンジン)、甘草
(カンゾウ)、厚朴(コウボク)や胡椒(コショウ)、肉桂(ニッケイ)といったものも
あります。
いまも昔も、病の苦しみから免れて健やかにありたいという想いは、人間にとって
変わらない共通の願いであったことがうかがえますね。
                                          嵐山店 みさお